Search this site
Embedded Files
九州の旅
  • HOME
    • 福岡
      • 関門橋界隈~海辺の散歩道で門司港へ~
      • 三里松原~響灘の海岸線に延びる松林~
      • 宗像大社~古代祭祀の姿を今に伝える~
      • 金印公園~田んぼの中の国宝~
      • 博多港~いにしえより続く国際港~
      • 福岡城~黒田長政が築いた城と町~
      • 元寇防塁~再襲来への備え~
      • 糸島~玄武岩と夫婦岩の景観~
      • 水城~白村江の戦いの後~
      • 太宰府~政庁跡と天満宮~
      • 筑豊~遠賀川流域の炭鉱の記憶~
      • 平尾台~サンゴ礁がつくる台地~
      • 豊前海~干潟が生む風景と海の幸~
      • 英彦山神宮~修験場へ続く道~
      • 秋月~黒田氏支藩の城下町~
      • 平塚川添遺跡~邪馬台国東遷説~
      • 小郡・大刀洗~大保原の戦い~
      • 筑後川~暴れ川の氾濫の歴史~
      • 八女~石人が見守る古墳群~
      • 柳川~どんこ舟が浮かぶ水郷~
      • 福岡・こぼれ話
    • 大分
      • 姫島~7つの火山がつくった島~
      • 国東半島~六郷満山の寺と山~
      • 田染~中世の田園風景~
      • 昭和の町~高度経済成長期の商店街~
      • 宇佐神宮~八幡神の総本宮~
      • 院内~石橋が架かる景観~
      • 中津城~黒田如水が築いた水城~
      • 耶馬渓〜大渓谷の六十六景〜
      • 小鹿田~唐臼の音が響く皿山~
      • 日田~天領の面影を残す町並み~
      • 玖珠~童話の中のような風景~
      • やまなみハイウェイ~高原のドライブ~
      • 杵築~台地と坂道がつくる城下町~
      • 別府~湯けむりが立つ温泉郷~
      • 大分駅界隈~大友氏ゆかりの地巡り~
      • 今市~勝海舟らが歩いた石畳道~
      • 岡城~瀧廉太郎と荒城~
      • 豊後大野の三滝~名瀑布巡り~
      • 臼杵石仏~表情豊かな摩崖仏~
      • 佐伯~「佐伯の殿様浦でもつ」~
      • 大分・こぼれ話
    • 佐賀
      • 名護屋城~戦国武将の集結地~
      • 浜野浦~玄界灘に続く棚田~
      • 虹ノ松原~鏡山と唐津城の眺望~
      • 鵜殿石仏群~岩肌に残る仏像~
      • 多久聖廟~領民のための廟所~
      • 小城〜ようかんとシュガーロード~
      • 葉隠発祥地~鍋島家々臣の思い~
      • 吉野ヶ里遺跡~弥生期の環壕集落~
      • 霊仙寺~栄西が茶をまいた山~
      • 鳥栖~九州7県の接合点~
      • 佐賀城界隈~大大名・鍋島氏~
      • 三重津~薩長土と佐賀藩~
      • 東よか干潟~佐賀平野と干潟~
      • 杵島山~男女が出会う歌垣の山~
      • 武雄~長崎街道の宿場町~
      • 伊万里~肥前磁器の積み出し港~
      • 有田~日本の磁器作り発祥地~
      • 嬉野温泉~受け継がれる美肌の湯~
      • 祐徳稲荷神社~朱が映える社殿~
      • 太良~有明海の恵み~
      • 佐賀・こぼれ話
    • 長崎
      • 対馬~日本海海戦の情景~
      • 原の辻遺跡~「倭人伝」が語る島の都~
      • 鷹島~元軍船の神風遭遇地~
      • 平戸~対欧貿易の先駆け~
      • 根獅子~キリシタンゆかりの浜~
      • 九十九島~島々がつくり出す絶景~
      • 佐世保~基地がある港町~
      • 波佐見~磁器を庶民に届けた大窯~
      • 針尾瀬戸~長大橋と渦潮の風景~
      • 外海 ~潜伏キリシタン~
      • 西坂への道~二十六聖人最後の道~
      • 原爆投下地~平和への祈り~
      • 長崎港~江戸期に異人が暮らした町~
      • 野母崎~幕末の海防も担った岬の町~
      • 大村~改宗を強いられた人びと~
      • 諫早湾~干拓地と有明海~
      • 雲仙岳~火山がもたらす恵みと災い~
      • 原城~島原・天草一揆の終焉地~
      • 長崎・こぼれ話
    • 熊本
      • 小国~山あいの温泉郷~
      • 菊池~懐良親王と菊池氏~
      • 田中城~秀吉と戦った国衆~
      • 山鹿~菊池川流域の装飾古墳~
      • 高瀬船着場跡界隈~銘柄米の集積場~
      • 田原坂~西南戦争の激戦地~
      • 熊本城~石垣と日本三名城~
      • 白川界隈~加藤清正の治水工事~
      • 細川氏ゆかりの地~忠利が残したもの~
      • 俵山西麓~阿蘇外輪山麓の湧水~
      • 阿蘇山~数万人が暮らすカルデラ~
      • 種山石橋~名石工と巨大石橋~
      • 五家荘~山里に息づく伝説の地~
      • 人吉~肥後相良氏の700年~
      • 水俣~海岸と山あいの風景~
      • 八代神社~亀蛇で渡来した妙見神~
      • 三角西港~明治の近代港湾施設~
      • 富岡へ~天草・島原の乱の総大将~
      • 天草西海岸~『五足の靴』の足跡~
      • 牛深~白浜のハイヤ節発祥地~
      • 熊本・こぼれ話
    • 宮崎
      • 高千穂~天孫降臨の地~
      • 日之影~五ヶ瀬川の橋~
      • 椎葉〜深山に語り継がれる伝説〜
      • 宮崎・こぼれ話
    • 索引
九州の旅
  • HOME
    • 福岡
      • 関門橋界隈~海辺の散歩道で門司港へ~
      • 三里松原~響灘の海岸線に延びる松林~
      • 宗像大社~古代祭祀の姿を今に伝える~
      • 金印公園~田んぼの中の国宝~
      • 博多港~いにしえより続く国際港~
      • 福岡城~黒田長政が築いた城と町~
      • 元寇防塁~再襲来への備え~
      • 糸島~玄武岩と夫婦岩の景観~
      • 水城~白村江の戦いの後~
      • 太宰府~政庁跡と天満宮~
      • 筑豊~遠賀川流域の炭鉱の記憶~
      • 平尾台~サンゴ礁がつくる台地~
      • 豊前海~干潟が生む風景と海の幸~
      • 英彦山神宮~修験場へ続く道~
      • 秋月~黒田氏支藩の城下町~
      • 平塚川添遺跡~邪馬台国東遷説~
      • 小郡・大刀洗~大保原の戦い~
      • 筑後川~暴れ川の氾濫の歴史~
      • 八女~石人が見守る古墳群~
      • 柳川~どんこ舟が浮かぶ水郷~
      • 福岡・こぼれ話
    • 大分
      • 姫島~7つの火山がつくった島~
      • 国東半島~六郷満山の寺と山~
      • 田染~中世の田園風景~
      • 昭和の町~高度経済成長期の商店街~
      • 宇佐神宮~八幡神の総本宮~
      • 院内~石橋が架かる景観~
      • 中津城~黒田如水が築いた水城~
      • 耶馬渓〜大渓谷の六十六景〜
      • 小鹿田~唐臼の音が響く皿山~
      • 日田~天領の面影を残す町並み~
      • 玖珠~童話の中のような風景~
      • やまなみハイウェイ~高原のドライブ~
      • 杵築~台地と坂道がつくる城下町~
      • 別府~湯けむりが立つ温泉郷~
      • 大分駅界隈~大友氏ゆかりの地巡り~
      • 今市~勝海舟らが歩いた石畳道~
      • 岡城~瀧廉太郎と荒城~
      • 豊後大野の三滝~名瀑布巡り~
      • 臼杵石仏~表情豊かな摩崖仏~
      • 佐伯~「佐伯の殿様浦でもつ」~
      • 大分・こぼれ話
    • 佐賀
      • 名護屋城~戦国武将の集結地~
      • 浜野浦~玄界灘に続く棚田~
      • 虹ノ松原~鏡山と唐津城の眺望~
      • 鵜殿石仏群~岩肌に残る仏像~
      • 多久聖廟~領民のための廟所~
      • 小城〜ようかんとシュガーロード~
      • 葉隠発祥地~鍋島家々臣の思い~
      • 吉野ヶ里遺跡~弥生期の環壕集落~
      • 霊仙寺~栄西が茶をまいた山~
      • 鳥栖~九州7県の接合点~
      • 佐賀城界隈~大大名・鍋島氏~
      • 三重津~薩長土と佐賀藩~
      • 東よか干潟~佐賀平野と干潟~
      • 杵島山~男女が出会う歌垣の山~
      • 武雄~長崎街道の宿場町~
      • 伊万里~肥前磁器の積み出し港~
      • 有田~日本の磁器作り発祥地~
      • 嬉野温泉~受け継がれる美肌の湯~
      • 祐徳稲荷神社~朱が映える社殿~
      • 太良~有明海の恵み~
      • 佐賀・こぼれ話
    • 長崎
      • 対馬~日本海海戦の情景~
      • 原の辻遺跡~「倭人伝」が語る島の都~
      • 鷹島~元軍船の神風遭遇地~
      • 平戸~対欧貿易の先駆け~
      • 根獅子~キリシタンゆかりの浜~
      • 九十九島~島々がつくり出す絶景~
      • 佐世保~基地がある港町~
      • 波佐見~磁器を庶民に届けた大窯~
      • 針尾瀬戸~長大橋と渦潮の風景~
      • 外海 ~潜伏キリシタン~
      • 西坂への道~二十六聖人最後の道~
      • 原爆投下地~平和への祈り~
      • 長崎港~江戸期に異人が暮らした町~
      • 野母崎~幕末の海防も担った岬の町~
      • 大村~改宗を強いられた人びと~
      • 諫早湾~干拓地と有明海~
      • 雲仙岳~火山がもたらす恵みと災い~
      • 原城~島原・天草一揆の終焉地~
      • 長崎・こぼれ話
    • 熊本
      • 小国~山あいの温泉郷~
      • 菊池~懐良親王と菊池氏~
      • 田中城~秀吉と戦った国衆~
      • 山鹿~菊池川流域の装飾古墳~
      • 高瀬船着場跡界隈~銘柄米の集積場~
      • 田原坂~西南戦争の激戦地~
      • 熊本城~石垣と日本三名城~
      • 白川界隈~加藤清正の治水工事~
      • 細川氏ゆかりの地~忠利が残したもの~
      • 俵山西麓~阿蘇外輪山麓の湧水~
      • 阿蘇山~数万人が暮らすカルデラ~
      • 種山石橋~名石工と巨大石橋~
      • 五家荘~山里に息づく伝説の地~
      • 人吉~肥後相良氏の700年~
      • 水俣~海岸と山あいの風景~
      • 八代神社~亀蛇で渡来した妙見神~
      • 三角西港~明治の近代港湾施設~
      • 富岡へ~天草・島原の乱の総大将~
      • 天草西海岸~『五足の靴』の足跡~
      • 牛深~白浜のハイヤ節発祥地~
      • 熊本・こぼれ話
    • 宮崎
      • 高千穂~天孫降臨の地~
      • 日之影~五ヶ瀬川の橋~
      • 椎葉〜深山に語り継がれる伝説〜
      • 宮崎・こぼれ話
    • 索引
  • More
    • HOME
      • 福岡
        • 関門橋界隈~海辺の散歩道で門司港へ~
        • 三里松原~響灘の海岸線に延びる松林~
        • 宗像大社~古代祭祀の姿を今に伝える~
        • 金印公園~田んぼの中の国宝~
        • 博多港~いにしえより続く国際港~
        • 福岡城~黒田長政が築いた城と町~
        • 元寇防塁~再襲来への備え~
        • 糸島~玄武岩と夫婦岩の景観~
        • 水城~白村江の戦いの後~
        • 太宰府~政庁跡と天満宮~
        • 筑豊~遠賀川流域の炭鉱の記憶~
        • 平尾台~サンゴ礁がつくる台地~
        • 豊前海~干潟が生む風景と海の幸~
        • 英彦山神宮~修験場へ続く道~
        • 秋月~黒田氏支藩の城下町~
        • 平塚川添遺跡~邪馬台国東遷説~
        • 小郡・大刀洗~大保原の戦い~
        • 筑後川~暴れ川の氾濫の歴史~
        • 八女~石人が見守る古墳群~
        • 柳川~どんこ舟が浮かぶ水郷~
        • 福岡・こぼれ話
      • 大分
        • 姫島~7つの火山がつくった島~
        • 国東半島~六郷満山の寺と山~
        • 田染~中世の田園風景~
        • 昭和の町~高度経済成長期の商店街~
        • 宇佐神宮~八幡神の総本宮~
        • 院内~石橋が架かる景観~
        • 中津城~黒田如水が築いた水城~
        • 耶馬渓〜大渓谷の六十六景〜
        • 小鹿田~唐臼の音が響く皿山~
        • 日田~天領の面影を残す町並み~
        • 玖珠~童話の中のような風景~
        • やまなみハイウェイ~高原のドライブ~
        • 杵築~台地と坂道がつくる城下町~
        • 別府~湯けむりが立つ温泉郷~
        • 大分駅界隈~大友氏ゆかりの地巡り~
        • 今市~勝海舟らが歩いた石畳道~
        • 岡城~瀧廉太郎と荒城~
        • 豊後大野の三滝~名瀑布巡り~
        • 臼杵石仏~表情豊かな摩崖仏~
        • 佐伯~「佐伯の殿様浦でもつ」~
        • 大分・こぼれ話
      • 佐賀
        • 名護屋城~戦国武将の集結地~
        • 浜野浦~玄界灘に続く棚田~
        • 虹ノ松原~鏡山と唐津城の眺望~
        • 鵜殿石仏群~岩肌に残る仏像~
        • 多久聖廟~領民のための廟所~
        • 小城〜ようかんとシュガーロード~
        • 葉隠発祥地~鍋島家々臣の思い~
        • 吉野ヶ里遺跡~弥生期の環壕集落~
        • 霊仙寺~栄西が茶をまいた山~
        • 鳥栖~九州7県の接合点~
        • 佐賀城界隈~大大名・鍋島氏~
        • 三重津~薩長土と佐賀藩~
        • 東よか干潟~佐賀平野と干潟~
        • 杵島山~男女が出会う歌垣の山~
        • 武雄~長崎街道の宿場町~
        • 伊万里~肥前磁器の積み出し港~
        • 有田~日本の磁器作り発祥地~
        • 嬉野温泉~受け継がれる美肌の湯~
        • 祐徳稲荷神社~朱が映える社殿~
        • 太良~有明海の恵み~
        • 佐賀・こぼれ話
      • 長崎
        • 対馬~日本海海戦の情景~
        • 原の辻遺跡~「倭人伝」が語る島の都~
        • 鷹島~元軍船の神風遭遇地~
        • 平戸~対欧貿易の先駆け~
        • 根獅子~キリシタンゆかりの浜~
        • 九十九島~島々がつくり出す絶景~
        • 佐世保~基地がある港町~
        • 波佐見~磁器を庶民に届けた大窯~
        • 針尾瀬戸~長大橋と渦潮の風景~
        • 外海 ~潜伏キリシタン~
        • 西坂への道~二十六聖人最後の道~
        • 原爆投下地~平和への祈り~
        • 長崎港~江戸期に異人が暮らした町~
        • 野母崎~幕末の海防も担った岬の町~
        • 大村~改宗を強いられた人びと~
        • 諫早湾~干拓地と有明海~
        • 雲仙岳~火山がもたらす恵みと災い~
        • 原城~島原・天草一揆の終焉地~
        • 長崎・こぼれ話
      • 熊本
        • 小国~山あいの温泉郷~
        • 菊池~懐良親王と菊池氏~
        • 田中城~秀吉と戦った国衆~
        • 山鹿~菊池川流域の装飾古墳~
        • 高瀬船着場跡界隈~銘柄米の集積場~
        • 田原坂~西南戦争の激戦地~
        • 熊本城~石垣と日本三名城~
        • 白川界隈~加藤清正の治水工事~
        • 細川氏ゆかりの地~忠利が残したもの~
        • 俵山西麓~阿蘇外輪山麓の湧水~
        • 阿蘇山~数万人が暮らすカルデラ~
        • 種山石橋~名石工と巨大石橋~
        • 五家荘~山里に息づく伝説の地~
        • 人吉~肥後相良氏の700年~
        • 水俣~海岸と山あいの風景~
        • 八代神社~亀蛇で渡来した妙見神~
        • 三角西港~明治の近代港湾施設~
        • 富岡へ~天草・島原の乱の総大将~
        • 天草西海岸~『五足の靴』の足跡~
        • 牛深~白浜のハイヤ節発祥地~
        • 熊本・こぼれ話
      • 宮崎
        • 高千穂~天孫降臨の地~
        • 日之影~五ヶ瀬川の橋~
        • 椎葉〜深山に語り継がれる伝説〜
        • 宮崎・こぼれ話
      • 索引

熊本市の旅 スポット モデルコース 雑感

銭塘から川尻へ

新開大神宮→歳星宮→六間堰→御蔵→「近見」交差点

熊本沿岸の干拓

新開大神宮の案内

コースはこの看板の先、信号がある交差点を左へ。

 「中原町」交差点から国道501号を南下して約3キロメートル、信号のある小さな交差点を左に入る。道の両側に続く住宅が途切れると、右手の先に見えてくるこんもりとした緑が新開大神宮である。さらに南下して道なりに進んで行った所にある小さな神社が歳星宮。社殿の周囲には、いずれも水田が一面に広がっている。

新開大神宮

「神風連」ゆかりの新開大神宮。

 熊本平野の沿岸部で最初に干拓が行われたころ、海岸線は現在よりも3キロメートルほど内陸に入った国道501号の辺りだったと考えられている。

最星宮への道

この道を直角に曲がってすぐの所が歳星宮。

 鎌倉時代の弘安元年(1278年)、寒巌義尹(かんがんぎいん)という僧侶が銭塘の地を開いたことが、この地での干拓の始まりという。寒巌義尹は、順徳天皇または後鳥羽天皇の子とされる人で、宋からの帰国後に川尻で大慈禅寺を開いた。「銭塘」の地名は、中国の「銭塘陂」という所の風景と似ていたことが由来とされる。村ができたころに、寒巌義尹が創建したと伝わる神社が歳星宮(さいせいぐう)である。

歳星宮

寒巌義尹の船が歳星宮の辺りに漂着したという。

 室町時代の文安2年(1445年)には、太田黒孫七郎が伊勢神宮を勧請して、新開大神宮を創建した。当時、その周辺にまで海水が及んでおり、孫七郎が開拓したともいわれている。

天明新川と緑川

 歳星宮の南、500メートルほどの所で県道50号に出たら左へ。小さな橋の手前の信号で右折し、天明新川沿いの道を走る。

天明新川沿いの道

熊本平野を貫く天明新川沿いの道。

 加藤清正は、白川の渡鹿(中央区)に堰を築き用水路を設け、熊本平野南部の耕作地に農業用水をもたらした。しかし、白川の川床は火山灰土のため水を地下に浸透させやすく、渇水することもある。この渇水を補い、水害の際の排水を促すため、江戸時代の天明年間(1781~88年)に土地を開削して造られたのが、人工河川の天明新川である。この工事では、飽田郡や託麻郡など周辺地域の5郡18手永から、延べ18万人もの人員が動員されたという。

裏橋

天明新川に架かる裏橋。ここを斜め左へ。

 裏橋で川を渡ってすぐ、左の道へ向かう。300メートルほどで三差路に突き当たり、右折すると緑川と加勢川の合流点が見える土手の上に出る。
 緑川は、宮崎県との県境に近い、九州山地の三方山(山都町)に源流を発する総延長約76キロメートルの一級河川。美里町と甲佐町の緑の中を抜け、熊本市南区の平野部を通り、有明海に注ぎ込む。その流れは、九州山地の森林地帯などから取り込んだ豊かな栄養素を、耕作地にもたらす。

緑川と加勢川の合流地点

緑川と加勢川の合流地点。写真左に六間堰がある。

 緑川との合流点近くにある六間堰から加勢川右岸の土手の道を上流方向へ向かう。逆Y字の小さな三差路を右へ。左へカーブする緩い上り坂から、右側の無田川に架かる外城橋を渡る。道なりに走ればすぐに川尻の町に入り、新幹線の高架が見えてくると御蔵が近い。

六間堰

農業用水をもたらし水害を防ぐ六間堰。

川尻の御蔵

川尻の町並み

川尻の町並み。所々に江戸時代の面影を残す。

 かつて川尻は、緑川流域の物流上、重要な港町だった。軍港としての機能も持ち、細川時代には「御船手」と呼ばれる藩の水軍も置かれていた。その家族の住居があったのが、加勢川と緑川に挟まれた、対岸の中州である。当時、橋は架けられておらず、人びとは「中之島(大慈寺)渡し」「杉島渡し」「御船手渡し」の3カ所の渡しを使って集落と行き来していた。

御船手渡し場跡

対岸の中洲との往来に利用された御船手渡し場跡。

 江戸時代、水運の町として繁栄した川尻は、年貢米の集積地であると共に、大坂などへの積み出し港でもあった。この港には、加勢川や緑川などの水運により、20万俵、約1万トンの年貢米が積み下ろしされている。コメの他にも、菜種や大豆などの農産物、薪炭、塩魚などの取り扱いがあった。年貢米は、20万俵のうち15万俵が大坂・中の島の、藩の蔵屋敷へ回船問屋の千石船で運ばれ、帰りの便には現地で購入された綿や鉄、昆布、日用品などが積み込まれた。川尻の港に到着したこれらの商品は、河川物流の中継的役割を果たした回漕船により農村部へ運ばれた。明治元年の記録によれば、年間で1170艘の商い船が、川尻の港を出入りしていたという。年貢米の残りの5万俵は、加勢川から内陸水路によって、熊本城の御蔵へ送られた。年貢米の納入期限だった現在の11月ごろは、川尻の港や町は大変なにぎわいだったという。

外城蔵

外城蔵の大小ふたつの御蔵が復元されている。

 この町で特筆すべきは、江戸時代の御蔵があること。御蔵とは、年貢米を収納するための蔵。全国的にも現存する御蔵は4つ確認されているのみ。岩手県盛岡市の「明治橋際の御蔵」と鳥取県湯梨浜町の「橋津の藩倉」、残りのふたつはいずれも熊本県内にある。宇土市の「宇土支藩御蔵」は会社の所有だが、もうひとつの川尻の御蔵は、資料館として公開されており内部に入って見学も可能だ。

御蔵の館内

館内では御蔵や川尻の歴史などを紹介。

 御蔵の近くに加勢川が流れており、石垣が続く遊歩道沿いに船着き場や渡し場も現存する。船着き場が階段状になっているのは、干満差が大きい有明海の影響を受けることから、水位が上下しても荷役ができるようにするための工夫。

船着場の石段

干満時いずれにも対応可能な船着場の石段。

 川尻の御蔵には飽田・託麻・益城・宇土郡の年貢米が収められていた。この4郡は現在の熊本市、上益城・下益城郡および宇土半島が、ほぼそのエリアに当たる。
 当時は「東蔵」「中蔵」「外城蔵」に、合計9つの蔵があった。現在の新幹線の高架下の辺りに「中蔵」、その東隣りに「東蔵」が置かれており、復元されているのは西隣りに立っていた「外城蔵」のふたつの御蔵。一説に外城蔵は、加藤清正が攻め落とした小西行長の宇土城の材木などを用いて建てられたという。

新幹線と在来線の鉄道橋

遊歩道の上に新幹線と在来線の鉄道橋が架かる。

 御蔵の前の通りを加瀬川上流方向に向かい、県道50号で左折。約2キロメートルで国道3号に出てさらに北へ向かえば、1キロメートルほどでコース開始時の、国道3号と国道57号が出合う「近見」交差点。

近見交差点

「近見」交差点。正面が国道3号、右が国道57号。

地図の表示ルートは実際と異なる場合があります。目安としてご使用ください。

前へ

次へ

熊本市の旅 スポット モデルコース 雑感

※当サイト記載の内容は、記事作成時点までの信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、正確性等について保証するものではありません。利用者が当サイトにより被ったとされるいかなる損害についても、当サイトおよび情報提供者は一切責任を負いません。ご自身の判断と責任においてご利用下さい。記事の内容と状況が異なる場合がありますので、必要に応じて事前確認されることをおすすめします。


Copyright©九州の旅 All Rights Reserved.
Google Sites
Report abuse
Google Sites
Report abuse