のもざき
野母崎
~幕末の海防も担った岬~
のもざき
野母崎
~幕末の海防も担った岬~
権現山山頂から長崎港方面を望む。手前は野母漁港。
長崎市中心部から南へ約30キロメートルの長崎半島が伸びる。その南端が野母崎。
権現山山頂は、東シナ海などを見渡す絶好のビュースポット。海抜約200メートルの展望台からは、東側に樺島、さらに天草下島(熊本県)の島影を望む。北側には長崎半島西側の海面に端島や高島、伊王島などの島々が浮かび、長崎港を遠望する。寛永15年(1638年)、幕府は「野母遠見番所」を設け、オランダ船や中国船、その他不審船の警戒に当たった。明治以後も海軍望楼や、第2次大戦後に米軍施設などが置かれ、現在も自衛隊により使用されている。日本列島西端部のこの岬は、江戸時代のみならず、防衛上重要な場所である。
角力灘・橘湾・天草灘に囲まれた野母崎は、古くから漁業が盛んな所。水揚げされる魚介の種類は120に及ぶといわれ、天然物のアジや伊勢エビは名物。旬の海の幸は、野母崎の観光客の楽しみのひとつだ。
野母崎西岸部は、かつて炭鉱の島として繁栄した端島、別名・軍艦島が海面越しに程近い。「軍艦島資料館」そばの総合運動公園の展望所など、各所から見える島の側面のシルエットは、まさに航行する軍艦のよう。澄んだ水が打ち寄せる高浜海水浴場では、夏場は海水浴と併せて「軍艦」の風景を楽しむことができる。
樺島へ向かう途中の脇岬海水浴場では、国道499号沿いに1キロメートルを超える長い砂浜が延びる。夕暮れ時は、砂浜も海も山も一面赤く染まる。
参考資料:「おさかな大図鑑」長崎市HP、他
野母崎周辺で獲れた「野母んあじ」は初夏が旬。
海に浮かびながら軍艦島の姿を楽しめる高浜海水浴場。
アクセス:権現山展望公園(長崎市野母町)
紹介スポット:権現山展望台・野母漁港・脇岬海水浴場・高浜海水浴場
移動手段:クルマ