はまのうら
浜野浦
~玄界灘に続く棚田~
はまのうら
浜野浦
~玄界灘に続く棚田~
あらかじめ日没の時刻を調べて現地を訪れるのもいい。
入り組んだ海岸線が続く、佐賀県北西部。浜野浦の小さな入り江から延びる急斜面に築かれた棚田の歴史は古く、戦国時代にさかのぼる。名護屋城築城の際、近江(滋賀県)の石工集団・穴太衆がこの地に来てそのまますみ着いた。その子孫により山が切り開かれ、石が積まれ長い年月をかけて棚田が築き上げられたという。
国道204号の間近から、西側の玄界灘の海原に臨む浜辺まで延びる、浜野浦川により形成された急斜面に283枚の水田が階段状に続く。
二層の展望デッキから見える棚田では、4月から水が張られ、田植えが始められる。梅雨が近づくにつれ稲が育ち、夏前ごろから稲穂が揺れ始め、8月中旬ごろから稲刈り。秋にヒガンバナ、冬にスイセン、春には菜の花が彩り、沈む夕日は季節によって位置を変える。
一年を通してさまざまな表情を描き出す、海に臨む棚田の風景が楽しめ、5月ごろには、水が張られた田の先の水平線に夕日が沈む光景に出合えることもある。
国道のすぐそばにある展望デッキの下から海に向かって続く急斜面の棚田の先は、1本の道を挟んで波が打ち寄せる浜辺。展望デッキと国道の間に通る道を、下り方面へ向かい上りになったら右へ。道なりに進んで行けば浜辺に出る。下から見上げると、上から見下ろすのとは異なり、築造の困難さがうかがえそうな、勾配のきつさを感じさせられる。
参考資料:「浜野浦の棚田」玄海町、他
季節により棚田はさまざまな表情を見せる。
傾斜地を切り開き石を積み上げ築かれた棚田。
アクセス:浜野浦の棚田(玄海町浜野浦)
紹介スポット:浜野浦の棚田
移動手段:クルマ