たわらやませいろく
俵山西麓
~阿蘇外輪山麓の湧水~
たわらやませいろく
俵山西麓
~阿蘇外輪山麓の湧水~
ひっそりと清水をたたえる妙見社の湧水地。
「熊本地域」と呼ばれる、熊本市・菊池市南部・合志市・宇土市・菊陽町・大津町・益城町・嘉島町・御船町・甲佐町・西原村の4市6町1村。このエリアの年間降水量約20億立方メートルのうち、3分の1ほどが大地にしみ込む。
阿蘇外輪山の西側一帯に蓄えられた水は、南北の台地からの地下水と共に、白川中流域の地下に流れていく。この「地下水プール」を覆う大津町と菊陽町にまたがるエリアは、浸透性が高い水田地帯。ここで雨水などが取り込まれることも、豊かな地下水形成の大きな要因になっている。
地下水は熊本市東端辺りで南西へ向かい、砥川溶岩層上の熊本市の江津湖や嘉島町の浮島などで一部が湧出。さらに南北からの地下水と共に有明海へ向かう。
地下水の流れは、主に阿蘇山の大規模な噴火によりつくり上げられた地層によるもの。熊本地域の生活用水の大部分を賄う地下水は、まさに阿蘇の恵み。環境省によるふたつの名水百選では、県内からそれぞれ4カ所ずつ選ばれており、この数は富山県と並び全国最多。ほぼ全てが阿蘇と熊本地域にあり、白川水源や池山水源など、湧水地は阿蘇カルデラの内側や周辺に多い。
西原村の大切畑ダム近くに塩井社や妙見社、揺ケ池神社の湧水地が点在する。外輪山の西側から南阿蘇村方面へ県道28号を上って行けば、山麓に広がる緑の先に大津町と菊陽町、右手に菊池台地、左手に高遊原台地が一望。
参考資料:熊本市水保全課「くまもとの水について考えよう」、他
大正時代には病気を治癒するといわれた揺ケ池の湧水。
県道28号を上る途中で外輪山の西側を望む。
アクセス:塩井社(西原村小森)
モデルコース:塩井社 → 妙見社 → 揺ケ池神社 → 扇坂展望所
移動手段:クルマ