おぐに
小国
~山あいの温泉郷~
おぐに
小国
~山あいの温泉郷~
「杖立ておいて帰る諸人」と弘法大師が詠んだ温泉地。
阿蘇カルデラから国道212号を北へ向かった南小国町と小国町。このエリアには豊かな自然の中に多くの温泉地が点在する。
熊本県北東の端、大分との県境にある小国町の杖立温泉では、筑後川上流の杖立川沿いに旅館が集まる。白い湯煙が立ち上り、路地裏に入れば懐かしい雰囲気が漂う、山あいのいで湯の里。神功皇后が宗像(福岡県)で産気づいた際、杖立の湯がくまれ、後の応神天皇を出産して産湯に使われたという話が残るほど歴史は古い。川の両岸は歩行者用の橋で結ばれ、川沿いに遊歩道が延びる。所々に無人の入浴場や足湯の他、蒸し玉子やふかし芋などができる「蒸し場」も見掛ける。
杖立温泉から南下した南小国町で代表的な温泉地が、田の原川沿いを中心に旅館が立ち並ぶ黒川温泉。ここでは、温泉街全体が「ひとつの旅館」。それぞれの宿は「離れ」、温泉街の道は「渡り廊下」と見なして、さまざまなタイプのお風呂が楽しめるよう工夫されている。木々の緑に包まれた「広大な温泉旅館」で、川のせせらぎを耳にしながらの湯巡りや、湯上がりの散歩も心地よい。
黒川温泉の周辺には小田・滝の上・田の原温泉もある。県道40号沿いには満願寺温泉、小国町役場から東へ向かえば寺尾野温泉、国道387号の北には奴留湯(ぬるゆ)温泉や山川温泉の湯が湧く。
「小国富士」と称される湧蓋(わいた)山麓も、複数の湯が集まる温泉郷。
参考資料:黒川温泉観光旅館共同組合「黒川温泉絵地図」、他
黒川温泉を流れる田の原川に面した共同浴場。
杖立温泉の足湯。川沿いには簡易入浴場もある。
アクセス:杖立温泉(小国町下城)または黒川温泉(南小国町満願寺)
紹介スポット:杖立温泉・黒川温泉
移動手段:クルマ