みなまた
水俣
~海岸と山あいの風景~
みなまた
水俣
~海岸と山あいの風景~
港の岸壁から見る水俣の海。湾口に恋路島が浮かぶ。
八代海(不知火海)に面した県南端の水俣市では、かつて海を介した公害病が引き起こされた。そのこともあり「海の町」という印象が強いが、市域の約75 パーセントを山林部が占める「山の町」でもある。
市東部の久木野地域では、山あいの傾斜地に「寒川地区棚田」が広がる。国道3号から東へ国道268号と県道15号で15キロメートルほどの所、寒川水源に向かう道沿いに棚田が続き、田植えの時期には水源から引かれた水が田に張られる。
湯の鶴温泉は、湯出川沿いに旅館が立ち並ぶ。川原で傷を癒やしていたツルを見掛けた平家の落人が、温泉を発見したことが始まりという。湯出神社の高台から見下ろせば、温泉街が深い緑の中にあることを実感させられる。
市の西端には波穏やかな八代海の風景が広がり、リアス式海岸が続く北側には弓状の浜沿いに宿が立つ湯の児温泉がある。橋でつながれた湯の児島のカメのオブジェは、温泉がオオウミガメによって発見されたという話にちなむ。湯の児温泉から市の中心部に向かう、海を見下ろす道路は「湯の児チェリーライン」。春には道沿いの桜並木が彩りを添える。
水俣市役所の辺りから国道3号で南へ3キロメートルほどの所が、かつて工場排水が流された水俣湾。以前は「汚染された海」だったが、そのイメージとは程遠い。透明度の高い海水が波打ち、晴天の日没時には、海や島々が豊かな夕景を描き出す。
参考資料:水俣市「みなまた環境まちづくり研究会報告書」、他
寒川水源の湧水が斜面を下り棚田を潤す。
湯の児島では水際の散策が楽しめる。
アクセス:水俣港または湯の児温泉(水俣市)
紹介スポット:水俣港・湯の児温泉・寒川地区棚田・湯の鶴温泉
移動手段:クルマ