ひらおだい
平尾台
~サンゴ礁がつくる台地~
ひらおだい
平尾台
~サンゴ礁がつくる台地~
大平山の散策路から茶ヶ床園地方面を見下ろす。
約3億年前、赤道近くの海底に分厚く積もったフズリナやウミユリ、アンモナイトなど、死骸となった生物の石灰分により形成されたサンゴ礁が平尾台の石灰岩の基。堆積した石灰岩は地殻変動により現在地の地下に移動後、マグマで熱せられ再結晶化し、結晶質石灰岩(大理石)になった。
地表に姿を現した石灰岩は、雨水などにより浸食され、北九州市南部の台地上に特異な風景を描き出している。
平尾台の代表的な景観は、大平(おおへら)山の斜面に広がる「羊原群(ようばるぐん)」。高さ数十センチメートルから1メートル程度の、ピナクルという丸みを帯びた石灰岩の石柱が一面に立ち並ぶ。カレンと呼ばれる浸食によりできた溝は、大きなものはピナクル間の地面の下に埋もれている。浸食は地面に約400のドリーネという大小のくぼ地もつくり、地下には約150の鍾乳洞や地下川などを生み出した。
散策路で大平山の中腹部辺りまで登れば、カルスト台地の風景の中にドリーネのサイズが実感できるだろう。茶ヶ床園地や吹上峠休憩所、自然観察センターの駐車場などからアクセスすると便利。
県道28号沿いに平尾台最大のピナクルの千貫岩が立つ。その南側の駐車場から徒歩10分ほどの風神祠の辺りは、平尾台の南端部。「地の果て」と呼ばれ、その名にふさわしい風景が広がっている。ピナクル群と共に、遠くに周防灘、眼下に行橋市や苅田町の眺望が楽しめる。
参考資料:福岡県『平尾台カルストの自然』、他
地表に露出した石灰岩の部分をピナクルという。
風神祠越しの眺望。三笠台も絶好のビュースポット。
アクセス:茶ヶ床園地(北九州市南区)
モデルコース:茶ヶ床園地 → 大平山 → 千貫岩 → 風神祠
移動手段:徒歩・クルマ