いさはやわん
諫早湾
~干拓地と有明海~
いさはやわん
諫早湾
~干拓地と有明海~
雲仙多良シーラインの眺望。左が調整池、右が有明海。
河川によって運ばれた土砂が、有明海の潮流が遅くなった所に堆積する。放置すると河川が氾濫しやすくなるため、堤防で囲み干拓が行われる。諫早湾ではこの営みが中世のころから繰り返され、約2万6000ヘクタールの干拓地のうち約3500ヘクタールが農地になった。「諫早湾干拓事業」は防災と農地の確保を主な目的に、平成4年に工事が着手され同20年に完成した。
湾口から5キロメートルほど西側で、約7キロメートルの潮受堤防が諫早湾を閉ざす。その内側に調整池とアシ原の干陸地、内部堤防を隔てた先に干拓地が広がる。
中央干拓地の道にクルマを走らせると、一面の農地の向こう、北に多良山系、南に雲仙岳の山々を望む。駐車場から内部堤防に上がれば、アシ原の先に調整池と潮受堤防や北側の水門が見える。
中央干拓地に降った雨は、干拓地内の総延長約42キロメートルの排水路により遊水池に集められ、調整池に排出される。本明川なども流れ込む調整池の水位が通常より高くなると、干潮時に南北2カ所の排水門を開け有明海に排出して水位を戻す。これにより諫早の治水は改善されたという。
諫早市高来町と雲仙市吾妻町を、潮受堤防の上に延びる「雲仙多良シーライン」が結ぶ。天気が穏やかな日、中間地点にある駐車場で調整池のほとりに立てば、目の前に静かな水面の風景が広がる。有明海側の展望所では、小さな波が絶えず堤防に打ち寄せ、潮の香りが届く。
参考資料:「諫早湾の干拓」諫早干拓史料館、他
干拓地内の道は農道のため、関係車両が優先。
潮受堤防下の潟土に直径1.6メートルの砂杭が立つ。
アクセス:内部堤防前の駐車場(諫早市中央干拓)
紹介スポット:内部堤防・雲仙多良シーライン駐車場
移動手段:クルマ