うすきせきぶつ
臼杵石仏
~表情豊かな石仏群~
うすきせきぶつ
臼杵石仏
~表情豊かな石仏群~
ホキ石仏第二群第一龕の阿弥陀三尊。
石仏は、岩壁などに直接彫られた仏像のことで、国内では奈良時代後期ごろには存在していたと考えられている。全国で特に多いのは仏教の中心地だった京都や奈良などの近畿地方だが、大分県にはそれに匹敵するほど存在するという。県内の石仏は83カ所、約400体が確認され、国東半島と、大分市や大野川流域に多い。
数ある大分の石仏を代表するのが「臼杵石仏」。国東半島でよく見られるレリーフ状の半彫りに対し、仏像全体を描き出す立体感のある丸彫りの石仏だ。
臼杵石仏があるのは、臼杵市の中心部から6キロメートルほどの深田地区。緑に包まれた山の斜面に、60を超す石仏が4つの群に分けられそれぞれ屋根に覆われている。その多くは、平安末期から鎌倉末期にかけて、京都や奈良の一流の仏師により彫られたものという。
見学の順路は「ホキ石仏第二群」「ホキ石仏第一群」「山王山石仏」「古園石仏」とたどる。阿弥陀如来像や大日如来像など、阿蘇溶結凝灰岩の岩壁に、顔の微妙な表情も見事に表現された仏像が並ぶ。
古園石仏の眼差しは、正面の「臼杵石仏公園」に向く。石仏群が彫られたころ、この一帯では天台宗の満月(まんがつ)寺という大きな寺院が、石仏や庭園と共に浄土の風景を描き出していたという。公園の先には、昭和25年創建の現在の満月寺本堂が立ち、その前に膝下が地中に埋もれた、一対の仁王の石仏が立つ。
参考資料:辻野功『大分学・大分楽Ⅲ』明石書店、他
木々の中を歩く石仏巡り。
古園石仏から見渡す「臼杵石仏公園」。
アクセス:臼杵石仏(臼杵市深田)
紹介スポット:臼杵石仏