うれしのおんせん
嬉野温泉
~受け継がれる美肌の湯~
うれしのおんせん
嬉野温泉
~受け継がれる美肌の湯~
湯野田大橋から見る温泉街を流れる嬉野川。
『肥前国風土記』の「藤津郡」に、「東の辺に温泉がある。よく人の病気を直す」と記されている。これが嬉野川(塩田川)沿いに湯が湧く嬉野温泉のこと。温泉が古くから人びとに利用されていたことがうかがえる記述だ。江戸時代には、嬉野の平地部を支配した蓮池藩により湯治場が設けられた。長崎街道の宿場町でもあり温泉が湧いていたことから、この地は「嬉野湯宿」の別称を持つ。
ぬめりのある湯はナトリウムを多く含む重曹泉で肌を滑らかにするといわれ、斐乃上温泉(島根県)と喜連川温泉(栃木県)と共に「日本三大美肌の湯」とされる。
主に嬉野川と国道34号の周辺に宿泊施設などが点在し、共同浴場や足湯、日帰りでも温泉を楽しめる。
「嬉野医療センター入口」交差点のそばの豊玉姫神社は、天正年間(1573~1592年)に兵火で焼かれたものの、元和年間(1615~1624年)に再建された。祭神の豊玉姫は海神の娘で、いわゆる「竜宮城の乙姫様」。美しい肌にちなみ「美肌の神様」とされる。神使のナマズも肌の病に御利益があるという。
嬉野川沿いには、温泉公園そばの嬉野橋から上流側に水際の遊歩道が設けられ、所々に対岸へ渡る飛び石が川面に並ぶ。湯上がりの散策などにおすすめ。嬉野の温泉で煮込まれた「温泉湯どうふ」や釜炒りの嬉野茶は、古くから受け継がれている名物。温泉と共に楽しみたい。
参考資料:『嬉野町史』、吉野裕『風土記』平凡社ライブラリー、他
散策の途中などに利用することができる足湯。
ピンク色の灯籠に出迎えられる豊玉姫神社。
アクセス:シーボルトの湯(嬉野市嬉野町)
モデルコース:シーボルトの湯 → 豊玉姫神社 → 嬉野川沿いの遊歩道
移動手段:徒歩