ぶぜんかい
豊前海
~干潟が生む風景と海の幸~
ぶぜんかい
豊前海
~干潟が生む風景と海の幸~
朝日が昇るころの浜の宮海岸。
瀬戸内海の西の端、関門海峡と伊予灘に挟まれた海域が周防灘。潮の流れの多くは南方の豊後水道と行き来し、北上する際に西へ、南下する際に東へ流れる。その南部、北九州市から大分県との境に至る旧豊前国が面する海を、豊前海と呼ぶ。
水深15メートル以下、最大干満差4メートルのこの海は、朝日が昇る海原や干潟の風景を生み出し、回遊魚の産卵場となり地付きの魚介を育む。
城井川の北側に樹齢300年を超すというクロマツの林と遊歩道が海沿いに続き、遠浅の海が広がる浜の宮海岸。春には潮干狩りのレジャー客などでにぎわう。大宰府に向かう途中の菅原道真がこの地に漂着したことにちなみ、天暦9年(955年)に創建された綱敷天満宮が松林の中に見える。春先には境内の約1000本の梅が色づく。
大分との県境の吉富町に程近い高州お旅所は、海岸に鳥居が立つ独特な風景を見せる。「御旅所」とは、神社の例祭でみこしが仮に納められる所。ここは春日神社の御旅所で、かつては小さな島だったという。天候によっては、鳥居越しに水平線から昇る朝日を見ることができる。
高州お旅所の北約1キロメートルの宇島(うのしま)漁港の直売所には、豊前海で育まれた季節の海産物が揃う。店内には水揚げされたばかりの魚介が入ったいけすが並ぶ。冬に旬を迎える、身がつまったワタリガニの「豊前本ガニ」や粒が大きな養殖の「豊前海一粒かき」はこの海の名産。
参考資料:「豊前の海の幸」豊前市HP、「浜の宮海岸」築上町観光協会HP、他
宇島漁港。直売所には旬の魚介が味わえる食堂も併設。
防波堤の先に立つ高州お旅所の鳥居。
アクセス:浜の宮海岸(築上町)
紹介スポット:浜の宮海岸・宇島漁港・高州お旅所
移動手段:クルマ