くにさきはんとう
国東半島
~六郷満山の寺と山~
くにさきはんとう
国東半島
~六郷満山の寺と山~
国東半島最大といわれる両子寺の仁王像。
奈良時代、隼人の乱での殺生を悔いた八幡神が仏教に救いを求め、宇佐神宮において神仏が習合した。その後、神宮寺として弥勒寺が建立された。弥勒寺の僧侶らは、国東半島の険しい山地を切り開き、修行の場とした。
半島に点在する寺院の多くは、八幡神の化身という仁聞菩薩により、養老2年(718年)に開基されたと伝わる。12世紀に大部分の寺院が天台宗の傘下となり「六郷満山」が生まれた。この名は武蔵・来縄・国東・田染・安岐・伊美の6つの郷に由来する、国東半島の寺院群の総称。「満山」は山岳仏教で寺院の集まりのこと。
半島中心部に主峰の両子山(標高721メートル)がそびえ、周囲には切り立った山々。半島内をクルマで走ってみれば、その地形の険しさが実感できるだろう。
六郷満山の寺院は学問を行う「本山」、修行を行う「中山」、布教を行う「末山」の3つに分けられていた。「中山本寺」の両子寺は、六郷満山全山を統括した中心的寺院。参道入り口では、一対の仁王像が目を引く。文化11年(1814年)の築造と伝わるもので、それぞれ高さ2メートルを超す、半島を代表する大型の石像だ。
本殿が断崖絶壁を背にする文珠仙寺や、弘安6年(1283年)造立の岩戸寺の国東塔、川面の大岩に彫られた天念寺の川中不動など見どころはさまざま。岩戸寺・天念寺・成仏寺で受け継がれている「修正鬼会」は、養老年間から伝わる伝統行事。
参考資料:『六郷満山展』九州国立博物館、他
知恵を授けるという文殊菩薩が本尊の文珠仙寺。
左右に脇侍を従え長岩屋川に立つ天念寺の川中不動。
アクセス:川中不動
モデルコース:川中不動 → 両子寺 → 文珠仙寺 → 岩戸寺
移動手段:クルマ