いとしま
糸島
~玄武岩と夫婦岩の景観~
いとしま
糸島
~玄武岩と夫婦岩の景観~
約30メートルのしめ縄は、毎年春に掛け替えられる。
糸島半島北部の海沿いでは、見応えのある「岩」の風景に出合える。
「二見ヶ浦」には、白い鳥居の先で波に洗われる、しめ縄が掛けられた夫婦岩の景観がある。高さは右の「男岩」が11.8メートル、左の「女岩」が11.2メートル。ふたつの岩は桜井神社の宇良宮(裏宮)のご神体とされるもので、糸島半島に広く分布する花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)からなる。伊勢(三重県)の二見浦の夫婦岩が朝日を迎え、こちらは夕日を見送る夫婦岩として対比される。
その西約16キロメートルで、花崗閃緑岩の大地を切り裂くように、鮮新世(約530万年前から180万年前)に噴出した玄武岩溶岩が威容を現す。芥屋の大門(けやのおおと)である。芥屋の大門は、岬の北端で大きな口を開けた、南側へ続く奥行き約90メートルの海食洞。その迫力ある光景を目にできるのは海上からのみ。しかし「芥屋の大門公園」の海岸からは、玄武岩の塊からなる高さ60メートルを超す柱状節理の崖が見える。
「志摩サンセットロード」とも称される県道54号の二見ヶ浦と芥屋の大門の間、野北地区の駐車場周辺に、ガードレール越しに海原が広がる。暗礁などの岩盤の露出が多いこの海岸部では、潮の状況によっては海面に岩礁が姿を現す。
晴れた日の夕暮れ時には、青い海原が広がる玄界灘と「岩」の景観に、沈みゆく夕日が彩りを添える。
参考資料:「芥屋大門」福岡県HP、他
芥屋の大門の崖。柱状節理は固まったマグマの割れ目。
野北の駐車場前の玄界灘。西側に幣の浜が延びる。
アクセス:二見ヶ浦の夫婦岩(糸島市志摩桜井)
モデルコース:二見ヶ浦の夫婦岩 → 芥屋の大門公園 → 野北の駐車場
移動手段:クルマ