くまモン人気の裏側
横浜に住んでいたころ、熊本県が「くまモン」というキャラクターを発表したことをニュースで知りました。名前の安易さから行く末を心配しましたが、ものすごい人気者となりました。それを強く実感したのは、熊本に戻り、県庁の観光課に臨時職員として勤めていた時です。
かつて観光課内に置かれていたくまモン担当チームは、独立して別の部屋に移っていました。そのため、くまモンへのファンレターが間違えて観光課に届くことがありました。ある日の観光課宛ての郵便物の中に紛れ込んでいたのが、幼い女の子が書いたと思われる1枚のハガキです。そこには、いくつかの色のクレヨンを使ったくまモンの似顔絵と、「くまもんがんばって」のメッセージが書かれています。その拙い絵と文字からは、くまモンが大好きだという気持ちが伝わってくるようでした。聞けば、このようなファンレターは頻繁に届くそうです。
くまモンへのファンレターを、別のフロアの担当部署に届けに行った時のことです。そこは職員の数も少なく、他よりもずっと狭い部屋でした。しかし、生き生きと活気がみなぎった明るさを感じた記憶があります。海外にまで及ぶ人気の要因は、県庁の担当者の方々の「がんばり」も、決して小さくはないように思えました。くまモンもドラえもんみたいに、たくさんの人びとに末永く愛されるキャラクターになってほしいと思います。