有明海の旅
熊本市が面する海域は「島原湾」と呼ばれることもありますが、一般には「有明海」で通っているようです。フェリーの定期便は熊本港と島原港および長洲港と多比良港を結ぶ2航路です。ちなみに東京湾では、久里浜港(神奈川県)と金谷港(千葉県)の間で運行されています。
東京に住んでいたころ、電車とフェリー、バスを乗り継いで東京湾沿岸をのんびりと一周する、日帰りの旅行を何度かしました。音楽を聴きながら、本を読んだり景色を眺めて過ごしていました。特に好きだったのが、夏の夜にフェリーの甲板で星を見ながら飲む缶ビールでした。一度だけ友人と一緒にこの旅をした時のことです。友人が、騒がしい乗客にイラついていたのは分かっていました。しかし後日、私のしつこいジョークも不機嫌の原因だったと本人から聞かされました。
有明海の旅では、JR熊本駅を発着とすると、まず路線バスで熊本港へ向かいます。フェリーを降りたら、島原港から500メートルほどの所にある島原鉄道の島原港駅で乗車して多比良駅まで電車の旅です。多比良港から長洲港まで再度船旅の後、2キロメートルほど離れたJR長洲駅から鹿児島本線で熊本駅へ向かう、6時間程度の旅です。市内の鉄道はもちろん、バスで走る熊本平野や、晴れていれば有明海の海面越しに金峰山地の眺望が楽しめます。この旅はまだ実現できていませんが、そのときはひとりで行こうと思っています。